環境と塗料に関する用語辞典

文中の()内の番号は参照する項目番号です。

項目 内         容
 1  RDF・RD Refuse Paper and Plasticの略で、紙とプラスチックからなる固形燃料のこと。紙屑や廃プラスチックを攪拌、固化することで、発熱量が安定した燃料として使用でき、焼却灰の減量化ができるメリットがある。
また一般的に廃棄物から作られた燃料はRDFと呼ばれている。
(Refuse Derived Fuel)
 

 ISO14001 SOは世界規格です。JISは日本規格です。特に環境問題(公害)に対しての世界規格がISO14001です。

   悪臭防止法 規制地域内の工場や事業所の生産活動に伴って発生する悪臭(ゴム・廃油などを焼却)について、必要な規制を行うことにより生活環境を守り、住民の健康を保護することを目的としています。但し、環境基準は設定されていません。


 イベントリーデータベース LCAの対象となる製品について、投入される原材料等の資源やエネルギー、及び排出される二酸化炭素等の環境負荷をまとめたデータベース
 5  エコロジー 人間と自然との関係を考える学問や活動のことです。

 MSDS 化学物質等安全データシート (Material SafetyData Sheetの略)
化学物質の名称、供給者名、分類、危険有害性、安全対策及び緊急事態の対策等の情報を含んだ資料。化学物質管理の現状を知る重要な情報源となる。
健康障害を生ずる恐れのある化学物質を譲渡および提供する者が、相手方(事業者)にその性状や取り扱い情報を提供するためのMSDSの交付を、労働安全衛生法、毒物・劇物取締法、PRTR法で義務付けられている。

 LCA ライフサイクルアセスメント (Life Cycle Assessment)の略
原材料採取から原料製造、部品製造、最終製品、生産、流通、販売、使用、廃棄まで製品の全ライフサイクルを通じた環境への影響を評価する手法。ISO14040(原則と枠組み)が1997年6月発行された。

 8  オゾン層の破壊 オゾンは生物に有害な紫外線を遮る性質があり、地球上を被うオゾン層は紫外線から生物を守っています。(目を守るサングラスの役目)ところが、フロンガス(スプレー・エアコン・冷蔵庫に使われている)が上空に運ばれてオゾンと反応してオゾン層を破壊します。

 化学物質過敏症 特定の化学物質に接するだけで起きる過敏症状のことをいいます。特定の化学物質はホルムアルデヒド(30)・トルエン・キシレン(23)などです。症状は自律神経失調症・睡眠障害・皮膚炎・喘息などです。

10  拡大製造者責任(EPR) Extended Producer Responsibirity の略
製品製造工程における公害防止や、製品の安全性については従来から企業に責任が課せられてきたが、製品を使用した後のしょぶんや環境負荷低減等、製品のライフサイクル全体に企業の責任を拡大するもの。
@リサイクルを前提とした製品設計
A製品に関する環境情報の公開
B使用済み製品の回収責任
Cリサイクル及び処分コストの負担 など


11  化審法 「化学物質の審査及び製造等の規則に関する法律」が正式名称
大量に生産される化学物質が、その使用から廃棄に至る過程で、環境中に放出されその環境を経由して、人の健康をむしばむことのないよう、所要の規制などを行う目的で、昭和48年に制定された。「化審法」の主旨は新規化学物質が製造または輸入される場合、国が事前にその物質の安全審査を行い、人に有害な影響を与える物質は、厳重な管理のもとに置くというもので、日本で化学物資を新たに製造および輸入しようとする者は、事前に厚生労働省、経済産業省、環境省に届け出て、各省による審査・判定を終わってから事業を行うことが義務付けられている。


12  可塑剤 プラスチック(ポリ塩化ビニール等)の材料に柔軟性を与えたり、加工しやすくするための添加剤です。ビニル製壁紙や合成樹脂系の床用シートなどに利用されています。可塑剤は環境ホルモンとして働く可能性を指摘されています。

13
 環境会計  従来、企業の財務分析の中に反映され難かった環境保全に関する投資及び経費とその効果を、正確に把握するための仕組み。平成12年3月環境庁から「環境会計」ガイドブック」が発行された。
企業にとっては、じしゃの環境保全への取り組みを定量的に示し、事業活動の環境保全の費用対効果を向上させることが可能となる。


14  環境側面 環境と相互に影響しうる、組織の活動、製品またはサービスの要素(ISO14001の定義)
環境に影響を与える事業活動全体を指すが、ISO14001では環境側面のうち、特に影響が大きいものを「著しい環境側面」と呼び、これを特定することが要求される。


15  環境ホルモン 正式には外因性内分泌撹乱物質と言います。生体内に入るとホルモンに似た働きをし、性転換や性の偏りや生殖機能障害をおこします。代表例としてゴミ焼却場から出る20ダイオキシン、船底塗料に用いられていた「有機スズ化合物」等があげられます。

16  環境マネジメントシステム
 ISO14001
環境に関するマネジメントシステムで、環境方針を作成し、実施し、達成し、見なおしかつ維持していくための、組織の構造、責任、権限の体系、運用、手続きを定めた規定・標準類、プロセス、経営資源を含むもの。国際規格として、1996年9月にISOが「ISO14001」を発行した。

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 環境ラベル 商品やサービスの環境側面を市場に伝えるもので、環境への負荷がより少ない商品などの需要と供給を奨励することを目的とする。
ISOでは、環境ラベルを3つに分類」している。タイプTは認定された認証基準により、第三者が認証し、表示を認めるもので、日本のエコマークはこれにあたる。
タイプUは商品の供給者自らが設定した基準に基づき、環境性能をアピールするもので「自己宣言型ラベル」ともいわれる。タイプVはLCA手法に基づき定量的な環境情報を開示するもので、その判断は購買者にゆだねられる。

18  キシレン 芳香族炭化水素系有機溶剤。無色透明で強い芳香がある。トルエンに類似しているが沸点が高いため、トルエンより安全性は高い。
塗料・接着剤・印刷インキなどに多く使用されている。


19  京都議定書 第3回気候変動枠組み条約97年12月京都で開かれた締結国際会議(COP3)で採択された。
先進国に二酸化炭素などの温室効果ガスの排出削減を義務づける。先進国全体で2008〜2012年の5年間の経平均排出量を、1990年に比べ5.2%減らすとし、EUに8%、米国に7%、日本に6%の削減を求めている。この発効には55カ国以上の批准などが必要。日本は批准済み。


20  グリーン購入法 環境に対して影響を及ぼさない製品やサービスまた、廃棄物からの再生品を積極的に選んで調達することを目的とした法律です。

21  クロロホリピス 有機リン系殺虫剤。しろあり駆除剤、害虫駆除剤、家庭用の殺虫剤にも使われている。シックハウス症候群の原因の一つといわれている。

22  建設リサイクル法 正式には「建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律」
業者に対し建築物解体工事の事前届出義務、豪奢が建築物を解体する際、当面@コンクリートAアスファルトB木材について分別と再資源化を義務づけ、不法投棄の防止・違反事業者の排除・廃材の明確なリサイクル処理を目的と」している。


23  産業廃棄物 一般住民の生活環境から出たものは一般廃棄物です。工業生産されたから排出されたものが産業廃棄物です。

24  酸性雨 工場や自動車の排気ガスに含まれている酸化物(イオウ・チッソ)が雨に吸収され、降った雨がpH5.6以下(低いほど酸性)の雨を酸性雨と言います。pH:酸性とアルカリ性を示す値です。小さい値ほど酸性が強く中性はpH7です。

25  資源有効活用促進法 2001年4月施行:特定の商品に対する廃棄物の発生抑制、部品の再利用、回収リサイクルの義務付けがされています。(OA機器・家電・自動車などがあげられます。)

26  シックハウス症候群 化学物質に汚染された室内の空気により、居住者が生じた健康被害の総称を指します。建物の高気密化・高断熱化に伴う、換気不良が原因の一つと言われています。症状:目・喉の痛み、頭痛、アレルギー、倦怠感、疲労感、睡眠障害などさまざまです。

27  循環型社会基本法 一般及び産業廃棄物のリサイクルを行う社会を造る目的で2000年5月成立しました。特に建築関係の関連法としては資源有効利用促進法(16・2001年4月)、グリーン購入法(11・2001年4月)、産業物処理法(24・2001年4月)、建設リサイクル法(13・2002年5月までに施行)の4法が重要です。

28  水質基準 公共用水域(河川・湖等)の水質汚濁の防止を図ることを目的とした基準です。排出基準に適合しない排水(有害物質を含有:重金属・毒性のある有機化合物等)は公共用水域に排出してはいけません。

29  ゼロエミッション 企業活動や生産活動を通じて排出される廃棄物を埋め立て処分する量を、限りなくゼロにすること。このためには異業種間の連携や、中間・加工処理による再利用などが必要。
30  ダイオキシン
  (DX Dioxin)
2378TCDDを代表する猛毒の有機化合物の総称で、人工化合物の中では最も毒性が高く、プラスチックの焼却や紙の塩素漂白などの肯定で発生する。自然環境中では分解されにくく、発ガン性や催奇性・免疫毒性による人体への影響が問題となっている。

31  代替フロン 特定フロン(CFC)によるオゾン層の破壊を防止するために用いられている代替物質で、ハイドロクロロフルオロカーボン(HCFC)やハイドロフルオロカーボン(HFC)等があるが、いくつかのHFCには地球温暖化係数がかなり大きいという問題点がある。

32  地球温暖化ガス 二酸化炭素(CO2)をはじめとする各種ガスを指し、太陽照射により、暖められた地表からでる赤外線を吸収し、熱エネルギーとして大気圏内に蓄積する働きを持っている。

33  TSCA Toxis Substance Control Act(有機物質規制法)の略
1977.1.1に発効した米国の化学物質に関する法律。
有害な化学物質による人の健康、または環境への不当な影響を防止することを目的として、TSCAは農薬、食品添加物、医薬品、化粧品等を除くその他の広範な分野の化学物質を対象としている。TSCAは関連の規則等を所轄する官庁は、米国EPA(Enviromental Protection Agency)である。

34  特定フロ フロンによるオゾン層の破壊を防止するため、1987年に「オゾン層破壊物質に関するモントリオール議定書」において採択された削減すべきフロンのこと。クロロフルオロカーボン(CFC)

35  土壌汚染 重金属(鉛・カドミウム等)や化学物質(ドライクリーニングに用いる塩素系溶剤)が土壌へ浸透し、地下水の汚染を始めとした環境汚染を引き起こす事を防止するための法律です。環境基準が設定されています。

36  トルエン 石油が原料となる炭素と水素からできている、特に有害性の高いベンゼン化合物の一種です。症状として中枢神経に作用して感覚や運動能力がおかしくなります。シンナー遊びで問題となっています。許容量(厚生省)トルエン:0.07ppm
塗料・接着剤・印刷インキなどに多く使用されている。

37  バイオマス エネルギー資源として利用できる生物の体や糞尿を意味する。
バイオマスには炭素や水素が含まれる為、燃焼して発電を行うほか、アルコール発酵、メタン発酵などによる燃料化や、ユーカリなどの炭化水素を含む植物から石油成分を抽出する方法等がある。
ゴミや下水汚泥などの廃棄物に含まれている有機物の利用も研究されており、廃棄物処理と石油代替エネルギーの両方に役立つものとして注目を浴びている。


38  HAPS PRTRのアメリカ版
39  パブリックデータベース LCA分析の為に公的機関から公表されるデータベース。
海外ではスイス環境庁によるBUWALなどの著名なデータベースがある。日本ではLCA日本フォーラムのプロジェクトなどで検討されている。

40  産業廃棄物処理法 2000年10月改訂施行:排出事業者の責任を強化、産業廃棄物処理業の要件などを強化、地方公共団体の責任を強化されました。一例として適正処理の確認を怠った場合には現状回復の責任と違反金が負わされます。

41  ppm 濃度を表します。百万分の一を1ppmと言います。ホルムアルデヒド(30)が4畳半の部屋の空気中に2mg存在すると約0.1ppmとなります。

42  PRTR 「特定化学物質の環境への排出量の把握及び管理の改善の促進に関する法律」
Pollutant Release and Transfar Register の略
有害性のある化学物質の環境への排出量及び廃棄物に含まれての移動量を登録して公表する仕組みのこと。1999年7月国会で成立した。
・雇用者21人以上の対象物取扱い事業者に調査・報告の義務。
・第1種指定化学物質:354物質群、うち特定第1種指定化学物質:12物質
・MSDSの提供義務あり
2001年6月30日期限で、対象事業所が第1回目の登録(報告)を国に対して実施した


43  VOC Volatile Organic Compounds の略
最近問題となっているシックハウス症候群の原因となる物質で、ホルムアルデヒドが有名。化学物質を使用した塗料や接着剤が主な発生源となっている。トルエン・キシレンなど色々な物質がありますが、特に有機溶剤中毒予防規則第2種のラッカーシンナーは問題となります。


44  ホルムアルデヒド 刺激臭のある非常に揮発性の高い有機化合物。合板、壁紙の接着剤から多く発生し、シックハウス症候群の原因の一つといわれている。昔病院で消毒に用いられていたホルマリンはホルムアルデヒドの水溶液。

45  マテリアルリサイクル 再生利用のこと。
廃棄物の再資源化技術の中で、廃棄物を原材料として再利用する方法。例えばゴミは分別してえ出したり、不要のテレビや冷蔵庫はリサイクルルートに乗せるようにする。また、塗料では再生PETの活用などが行われている。

46  マニフェスト 産業廃棄物管理票:不法投棄の防止や適正処理を目的に産業廃棄物の排出事業者が処分会社に処理を委託する時に交付する管理票のことです。

47  容器包装リサイクル法 正式には「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進な等に関する法律」
ビン、PETボトル、紙・プラスチック容器について消費者・市町村・事業者が協力分担し、再資源化させることを目的とし、平成12年4月から完全施行。

48  リサイクル 資源の有効再利用のことで@原材料として再利用する。A部品等を再使用する。B廃棄物の発生を抑える。の3つがあげられます。

49  リターナブル化 「リターン(返却)できる」という意味
コンテン、パレット、ドラム等をお客様からご返却頂くことにより、繰り返し使うシステムとすること。

50  リデュース 「発生を抑制」
廃棄物の発生を抑制する意味で、製品の設計段階から、省資源化や長寿命化を図りながら、使用段階までの全般にわたっての資源の利用効率を高め、廃棄物を出来るだけ出さないようにすること。
例えば、事業者は頑丈な製品を作り、消費者はこれを長く使用したり、商品を買うときは包装が簡素なものを選ぶ。

51  リユース 「再使用」
いったん使用された製品を回収し、修理、あるいは解体して使用できる部品を再使用すること。