厚生労働省はVOCの室内濃度指針値を以下のように定めています。
( )内は25℃換算での体積濃度:ppm
化学物質 単位 室内濃度指針値 主な排出源
ホルムアルデヒド μg/m3 100 (0.08) 合板、接着剤
トルエン 260 (0.07) 接着剤、塗料
キシレン 870 (0.20) 接着剤、塗料
パラジクロロベンゼン 240 (0.04) 防虫剤
エチルベンゼン 3,800 (0.08) 断熱材、塗料、床材
スチレン 220 (0.05) 断熱材、塗料、床材
クロルピリホス 1 (0.07) ※小児0.1  有機リン系殺虫剤
フタル酸ジ-n-ブチル 220 (0.02) 樹脂の可塑剤
テトラデカン 330 (0.041) 接着剤、塗料
ノナナール 41 (0.007) 接着剤、塗料
フタル酸ジ-2-エチルヘキシル 120 (0.0076) 樹脂の可塑剤
ダイアジン 0.29 (0.00002) 有機リン系殺虫剤
TVOC 400 内壁材、家具、家庭用品
すでに学校施設においては、引き渡し時に上記の内定められた5項目を測定し指針値を超えるものは改善させることになっております。一般住宅に対してもすでに法案が出されており、関係業界はすばやい対応がもとめられています。ただ指針値には法的拘束力がないため、業界まかせの感はいなめません。しかし建築業界ではこれが逆に差別化のチャンスでみあります。
自分の生活環境を守ることが、すなわち自分の生活を守ることにつながります。

主な排出源で塗料が記されているものの内「テトラデカン」、「ノナナール」は、塗料メーカーの技術の方にうかがったところ、塗料に使用する樹脂の製造工程で使用されいますが、塗料中にはほとんど含まれていないとのことです。

上記数値でTVOCは中古住宅の指針値であり、新設の場合1000μg/m3となっております。ただ欧米ではTVOCでは毒性を決定出来ないとして、個々の数値しか示していなかったり、TVOCを示している場合も高くて200μg/m3となっています。そういう世界の状況の中で、残念ながらわが国の指針値は非常に甘い指針だと言えます。

しまし私達塗料業界に携わるものとして出来るだけの対応をすることが大切です。特にホルムアルデヒド、トルエン、キシレンの含まれている建材、塗料、シンナーはなるべく室内には使用しないようにしましょう。